ジブリ「風立ちぬ」零戦が牛車に引かれていった場面が暗示するもの

宮崎駿監督最新作「風立ちぬ」に登場するゼロ戦が牛車に引かれていく場面が暗示するもの、その歴史に学ぶものとは。

東京新聞のコラムにて、スタジオジブリ宮崎駿監督「風立ちぬ」に出てくるシーン、零戦を牛車に引かせて運ぶ場面について語られています。
以下、記事より一部紹介。

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宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」に、工場で組み立てられた海軍の零式戦闘機が牛車に引っ張られていく場面がある。
不思議に感じた人がいるかもしれないが、創作ではない。
零戦を製造していた三菱重工名古屋航空機製作所には隣接する飛行場がなく、完成した胴体や翼を四十八キロ離れた各務原飛行場まで運んでいた。
名古屋市を出ると、雨が降れば泥沼のようになる悪路が続く。機体を傷めずに運ぶには牛車を使うしかなかったのだ。
日没後、製作所を出た牛車は二十四時間かけて慎重に歩む。機体には厳重にシートをかぶせ、要所には警官が立った。
量産体制が整うと、牛の疲労が目立ち、疲労回復のために特配のビールを飲ませることも。飼料が不足すると牛はやせ細り、やがて温和で力の強いペルシュロン馬が荷を引いた(吉村昭著『零式戦闘機』)最新鋭戦闘機が牛馬に引かれていた事実は、未来の運命を暗示しているようにも思える。戦況の悪化に伴い、零戦は二百五十キロ爆弾を抱き敵艦に体当たりする特攻機になる…

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全文は⇒東京新聞コラム筆洗


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