美術監督・種田陽平が見たスタジオジブリの仕事とは

映画美術監督の鬼才・種田陽平氏が語るスタジオジブリの仕事とは。

タランティーノや三谷幸喜作品など、国内外の実写映画の美術監督を数多くつとめてきた種田陽平氏は、現在公開中のスタジオジブリ作品『思い出のマーニー』で初のアニメーション映画の美術監督に挑んだ。
今月頭に発売された著書『ジブリの世界を創る』にあわせて、そんな種田氏が見たスタジオジブリの仕事、また高畑監督や宮崎監督の作品から教わったことなどをハフィントンポストで語っている。



高畑&宮崎監督から教わった〈空気感〉の原点

ハフィントンポストによると、種田美術にある〈空気感〉の原点は、種田氏が子どもの頃に見た『太陽の王子ホルスの大冒険』であるそうだ。
『太陽の王子ホルスの大冒険』は、東映動画時代の若き高畑勲が初監督、宮崎駿が場面・美術設計を手がけた名作。
この映画に感じた、映画を覆い尽くしている〈空気感〉こそが、種田氏が美術をする上で大切にしている「空気感を出すこと」の原点であると語っている。

スタジオジブリ作品にある色あせないピュアネス

「ジブリ作品のようにリアルに見えて、でもファンタジーが成立する世界というのは、実写では意外と難しい」と種田氏。
賞味期限がはっきりした食べ物のような実写映画に対して、時間が経っても色あせないジブリ作品の魅力とは何かを、美術監督として考えてきたという。
映画と登場人物が持っている純粋さ、それをより引き出す美術装置や演出、そして一人ひとりが純真な気持ちで絵を描いているスタッフ、それらが観る者を魅了するのではないか。
かつて溝口健二監督や小津安二郎監督の作品など、実写映画にもあったピュアネス。そうした純粋さを、実写の映画人として種田氏はまだ信じている、と書いている。


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