ジブリの「色」を決めてきた保田道世さん

スタジオジブリ宮崎&高畑監督の戦友、色彩設計・保田さんのお仕事とは。

ジブリ作品の特徴的な魅力のひとつには、やわらかでどことなく懐かしい印象を与えてくれる「色彩」があります。
そんなジブリカラーを作ってきたのが、アニメーション色彩設計の保田道世さんという方です。


保田道世さん

保田さんは、宮崎駿監督や高畑勲監督とは東映動画時代からのお仕事仲間で、両監督から「戦友」「同志」と呼ばれる存在。
これまでの殆どのジブリ作品の色彩は、そんな保田さんが決定してきました。

大量の色のサンプルから、膨大な時間とエネルギーを使って、最適な一色を選んでいく。
ほんの一瞬映るキャラクターの一部に使う一色まで、とことんこだわり抜いて作られていく様子は、メイキングビデオなどでも紹介されており、とても興味深いものです。

宮崎駿監督作『崖の上のポニョ』を最後に現役引退された保田さん。
現在は、ジブリ美術館で上映されている短編作品に参加されています。

ポニョのメイキング映像作品『「崖の上のポニョ」はこうして生まれた。』の中では、そんな保田さんの現役最後の仕事ぶりも垣間見ることができます。
また、同じくメイキング『「もののけ姫」はこうして生まれた。』や、著書『アニメーションの色職人』などでも、保田さんのお仕事が詳しく紹介されています。

こちらの記事や動画にも、保田さんのことが紹介されています。

【記事】ジブリ作品の色彩設計を担当する保田道世さんに聞く (YOMIURI ONLINE)

∟色彩設計というお仕事について、スタジオジブリについて等を語られたインタビュー記事です。

【動画】保田道世さんに聞く麻呂さん(「借りぐらしのアリエッティ」の監督)について

∟ジブリ広報部より、「借りぐらしのアリエッティ」を通して保田さんが紹介されています。


【保田道世さんプロフィール】
1939年4月28日 東京都生まれ。アニメーションの色彩設計。
1958年、東映動画(現・東映アニメーション)の仕上部門に入社。CMやテレビシリーズのトレースを手がける。
組合活動を通じて高畑勲・宮崎駿と知り合い、『太陽の王子 ホルスの大冒険』(’68)にトレースで参加。
以後Aプロダクション(現・シンエイ動画)、日本アニメーション等で『母をたずねて三千里』(’76)や『未来少年コナン』(78′)など、多くの作品で仕上チーフ・色指定をつとめる。
’84年『風の谷のナウシカ』に参加以降、スタジオジブリ劇場用作品のほとんどの色彩設計を担当している。2008年末、現役を引退。
著書「アニメーションの色職人」(柴口育子著 徳間書店刊)で、その仕事が詳しく紹介されている。


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『「崖の上のポニョ」はこうして生まれた。』詳細記事
『「もののけ姫」はこうして生まれた。』詳細記事