ジブリスタッフによる「風立ちぬ」豆知識ツイートまとめ
ジブリスタッフが新作「風立ちぬ」がもっと面白くなる豆知識をツイート
興収100億円超えを見込まれる今夏最大のヒット作となったスタジオジブリ宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」。
宮崎監督初のノンファンタジーに挑んだ本作は、零戦を作った設計士・堀越二郎をモデルに、堀辰雄の同名小説の要素を取り入れながら激動の昭和を描いたもの。
賛否両論まじえながらも注目を集めている作品ですが、ジブリの宣伝スタッフによる公式ツイッターにて、本作のポイントや製作現場の様子といったスタッフならではの情報が公開されています。
ちょっとだけ知るとさらに作品を楽しめるような、「風立ちぬ」にまつわる豆知識ツイートをまとめてみました。
主人公・二郎の声に「エヴァ」庵野監督が抜擢された決め手
二郎の声は庵野秀明さん。 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの総監督としても知られていますが、 宮崎監督とは「風の谷のナウシカ」以来の師弟関係。“滑舌がよい”“早口”“凛と している”という監督の想いを受け、主人公 の声を担当す ることになりました。 宣伝担当Sより
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) July 24, 2013
宮崎監督は、庵野監督のことを「物凄く正直な男だ」とお気に入りのようですね。
映画の完成報告会見では「(庵野は)現代で一番傷つきながら生きている、その感じを持っていたから」とも言っていますね。
⇒関連記事:宮崎駿監督、涙の完成!ジブリ「風立ちぬ」完成報告会見
作品キャッチコピー「生きねば。」とナウシカの最後の台詞
「風立ちぬ」のコピー『生きねば。』 実はこのコピー、宮崎監督の代表作「風の谷のナウシカ」とも大きな関わりが。 漫画版「風の谷のナウシカ」最終巻にでてくる言葉、それが『生きねば……』。 たとえどんな時代でも力を尽くして生きることが必要という宮崎監督の変わらない思いが見えてきますね。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) July 26, 2013
宮崎監督が手がけた初のオリジナル作品「風の谷のナウシカ」。
あれから約30年後の本作、タイトルにも同じ「風」の文字が。
堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。
宣伝担当Sです。 『風立ちぬ』で実在の人物をモデルとするのはジブリの長編作品では初めての事。 ゼロ戦を作った設計士・堀越二郎と小説家・堀辰雄のエッセンスをごちゃまぜにして主人公を生み出しました。宮崎監督が好きな飛行機や乗り物、そして恋やたばこがこの映画にはたくさん出てきます。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) July 29, 2013
宮崎監督は堀越二郎をモデルといっても「堀越二郎さんの評伝を作りたいわけではなかったので、あまり調べることはしなかった」とのこと。
自分流に堀越二郎を取り戻したかったのだとも語っています。(雑誌「CUT」9月号『風立ちぬ』3万字徹底インタビューより)
⇒関連記事:「風立ちぬ」特集雑誌&関連書籍まとめ
今回も音楽担当は久石譲さん
『風立ちぬ』でも映画音楽は久石譲さん。 『風の谷のナウシカ』以来、ずっと宮崎監督とタッグを組んでいる久石さん。 今回は効果音を人の口で、オーケストラは小編成で、など宮崎監督の強い希望もあったのでいつも以上に生みの苦しみがあったようです。宣伝担当Sでした。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 2, 2013
いつも宮崎監督とのお仕事は大変のようですが、今回は特に大変だったそうですね。
音の面でも従来のルーティーンと違う方向性を目指したようです。
ヒットの秘訣?タイトルに「の」がない!
本作のタイトル、宮崎作品には珍しく 「の」という文字が入っていません。『千と千尋「の」神隠し』、『崖「の」上「の」ポニョ』など、「の」が入ると映画がヒットすると言われてますが、今回はありません。 ですが、『風立ちぬ』のタイトルをよーく見ると「ぬ」の中に「の」が見えてきませんか?
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 5, 2013
うーん、ちょっと厳しいでしょうか(笑)
でも「の」のジンクスを覆す大ヒットとなりましたね。
宮崎監督初の大河ドラマ?!
『風立ちぬ』では二郎の13歳から42歳までの約30年間の半生が描かれます。 今までの宮崎監督作品は3、4日の話が多いんです。その事を鈴木プロデューサーに指摘された宮崎監督は「俺だって大河ドラマは作れるんだ! 今回は3、4日の話じゃない。30年だ!」とスタッフに言っていたそうです。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 7, 2013
昭和期の激動の30年が描かれた本作。
俺だって!ってなんだか可愛いです。
ジブリの社名の由来
スタジオジブリの社名の由来。 それはサハラ砂漠に吹く熱風を意味するイタリア語です。第2次大戦中に使われたイタリアの偵察機の名前でもあり、宮崎監督が命名。そして、その軍用偵察機を作ったのが『風立ちぬ』にも出てくるカプローニなんです。 ジブリの社名にはこんな由来があったんですね。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 9, 2013
アニメーション界に熱風を起こしました。
人の声から生まれた効果音
『風立ちぬ』の効果音。今回、飛行機のプロペラ音や蒸気機関車の蒸気、車のエンジン音、地震の地響きの音など、様々な音が人の声で表現されてます。これはジブリの長編映画では初めての試み。 いろんな陸海空の乗り物が登場する今作、人の声から生まれた効果音にもご注目ください。 宣伝Sでした。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 15, 2013
効果音を担当する声には、宮崎監督もオーディションを受けたようですが落ちた(というか自分で落としたというか)話も(笑)
三鷹の森ジブリ美術館で上映される短編アニメ「やどさがし」でも、人の声で効果音を表現した作品があります。こちらはタモリさんと矢野顕子さんが担当。タモリさんの芸が光っています!
関連リンク⇒「声で効果音」やりたかった 宮崎駿監督、新作短編を大いに語る/YOMIURI ONLINE(外部サイト)
ジブリヒロインのテーマカラーはピンク?
宣伝Sです。今日はジブリ作品に出てくる服の色について。 実はジブリヒロインはピンク色の服を着ていることが多く、 『風立ちぬ』でも、ヒロインの菜穂子が二郎から求婚される時の衣装や、菜穂子の花嫁衣裳にもピンク色が使われています。映画をご覧になる時は衣装に注目して見てみても面白いかも。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 21, 2013
確かにポニョや千尋、メイちゃんなどもピンクを着ていますね!
ナウシカやシータ、キキ、ソフィーなどが着ている紺~青系も多いなあと思います。
色に注目して見るのも面白いですね。ジブリの色を決めてきた色彩設計の保田道世さんは、宮崎監督に戦友といわれる存在。
今回も、ポニョでの引退宣言をひるがえして担当されています。宮崎作品に欠かせない存在のおひとりなのでしょうね。
当初、宮崎監督は『風立ちぬ』映画化に「アニメーション映画は子供の為に作るもの。大人の為の映画は作っちゃいけない。」と反対したそう。しかし、あるスタッフから「子供は分からないものに出会う事は必要で、そのうち分かるようになるんです。」と言ってもらい映画化のきっかけになったそうです。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 23, 2013
私も子供の頃はナウシカがよくわからなかったけれど、わからないなりに心に残って、今もずっと大切な作品です!
ジブリ作品といえば、毎回出てくる食事のシーンも話題の一つとして挙げられます。 ラピュタの目玉焼き、ハウルのベーコン、ポニョのラーメンなど。『風立ちぬ』でも二郎と本庄が学生時代に通った定食屋でサバの 味噌煮や肉豆腐、シベリヤなど、時代を投影した食べ物が随所に出てきます。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 26, 2013
今回も美味しそうに食べていましたね。カストルプさんがむしゃむしゃ食べていたクレソンサラダも気になりました。
ドーラが食いついていた肉を食べたい・・・
なぜクレソンのサラダなのか?
謎のドイツ人「カストルプ」の声はジブリの元社員スティーブン・アルパートさんという方。本編ではクレソンサラダを美味しそうに食べる場面が印象的ですが、本人はそこまでクレソンは好きではないそう。 因みにクレソンは明治初期に日本に導入され、軽井沢の外国人の為に栽培されたそうです。
— 映画『風立ちぬ』公式 (@EigaKazetachinu) August 28, 2013
クレソンにはそういった背景があったのですね!
こうした細かな時代背景も知ると、またさらに映画を見る楽しみが増しますね。
元ジブリ社員のアルパートさんは、海外で勝手にシーンをカットされたりした「風の谷のナウシカ」を取り戻してくれた人だそうです。
テレビでアルパートさんのアフレコ風景が紹介されていましたが、ちょっと音痴な歌や、「もう少し日本語を下手に喋って」と注文されるなどおかしかったですが、終始なごやかなムードでした。
以上、現在までにジブリスタッフによってツイートされている「風立ちぬ」豆知識をまとめてみました。
また随時、新情報や話題をご紹介していきます。