ジブリファンに応えつつ新しいもの作りたい、『思い出のマーニー』米林監督インタビュー

3月18日に『思い出のマーニー』のDVD＆ブルーレイが発売されたばかりのスタジオジブリ米林昌宏監督。
マイナビニュースでインタビューが掲載されています。
『思い出のマーニー』の制作について、また宮崎監督引退後のスタジオジブリ後継者としての期待を受けていることについてなど、米林監督独特のソフトな印象で語られています。

画像：マイナビニュース

マーニー映画化のむずかしさとは？

今思い返しても難しい。
アニメーター出身として、表情やリアクションなどの”動き”で見せたかったので、原作よりも多めにしている。
原作は杏奈のひとり語りで綴られており、やはり会話がメインなので、難しかった。
杏奈とマーニーが交流する場面などを、ジブリスタッフが描く美しい風景の中で描けたらいい映画になるんじゃないかと思った。
派手な事件が起きるような映画ではないし、だからこそ杏奈の心にフォーカスできた。
ジブリじゃなかったら通らなかった企画だろう、ラッキーだった。

DVDとBlu-rayで見る楽しみ方や注目ポイントは？

すべてのシーンに意味を込めているので、何度も思い返したり見返したりして欲しい作品。
例えばラストの展開を知ってから見返すと、それぞれのシーンにどんな意味があったのかがわかるはず。
色々な意味を考えて描いているので、そういったものを感じてもらえるとうれしい。

米林監督をジブリ後継者に期待するファンの声について

本作は、ジブリを背負うという意識はせずに作った。
ジブリについては宮崎さんと鈴木さんの考え方次第、僕が考えるべきはお客さんのこと。
監督デビュー作『借りぐらしのアリエッティ』では、宮崎さんならどうするだろうとか、宮崎さんの目を意識した部分が大きかった。
マーニーでは純粋にお客さんが面白いと思ってくれることをやろうと考え、最初から宮崎さんのことは意識しないようにした。
だから、宮崎さんは、きっとこの作品は好きじゃないだろうなって思う（笑）

ファンの声も色々。今回の「思い出のマーニー」は、ジブリから少し外れた要素を入れていきたいと思った。
空ひとつとっても、ジブリ作品では快晴の青空が多いが、マーニーでは曇り空にした。
ジブリも毎回、実験的なことを色々とやってきた。つねに新しいものを模索しなければいけないが、ひとりよがりになってもお客さんは引いてしまう。
ファンの期待に応えつつ、新しいものを作っていきたい。
今までスタジオジブリの作品以外の経験がないので、そういう意味では、マーニーには自然にジブリらしさが出ているんじゃないか。


3月12日に行われたマーニー関連のトークショーで、米林監督は昨年末にジブリを退社していたことを発表、次世代ジブリを担う監督として期待されていただけに、ファンの間でも衝撃が走った。
ジブリから完全に離れたのか、フリーランスとしてまたジブリで制作することもあるのか、詳しいことは語られていないようだ。
米林監督自身は、ジブリを離れてもアニメ制作への意気込みがあるようで、西村プロデューサーと今後について話し合っているという。

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