ジブリ鈴木プロデューサーが語る、来夏公開のジブリ新作２本立て！

12月13日、ジブリ最新作について鈴木敏夫プロデューサーが会見で語りました。


（画像：ムビコレNEWS）

2013年夏に公開予定されているジブリ新作は、宮崎駿監督の『風立ちぬ』と高畑勲監督の『かぐや姫の物語』の２本立て。
宮崎監督は『崖の上のポニョ』以来５年ぶりの長編新作、高畑監督は『ホーホケキョ となりの山田くん』以来１４年ぶりの新作となる。
そして両巨匠の2作同日公開は『となりのトトロ』と『火垂るの墓』以来、実に２５年ぶりという一大イベントになる模様だ。
その同時公開となった経緯や、宮崎監督の新作への思いなどを鈴木Ｐが語った。
以下、ムビコレＮＥＷＳより、鈴木プロデューサーのコメントを引用。

ジブリ鈴木Ｐが語る高畑勲監督『かぐや姫の物語』

（画像：『かぐや姫の物語』公式サイト©2013 畑事務所・GNDHDDTK）

鈴木「当初は『かぐや姫』を公開して、その後に『風立ちぬ』を公開しようと思っていたのですが、諸般の事情によりこうなりました。
（『かぐや姫の物語』は2005年から30分程度の作品として映画化を予定していたが）高畑さんの手にかかると、かぐや姫の身に何が起こったのか、何を思ったのか。それをちゃんと描くことで（長編）映画になる。
しかし、最初に出てきたシナリオを読むと、（映画にしたら）3時間半かかるものだったんです。
ちなみに『となりの山田くん』のときは7時間半でした（笑）」

ジブリ鈴木Ｐが語る宮崎駿監督『風立ちぬ』

（画像：『風立ちぬ』公式サイト © 2013 二馬力・GNDHDDTK）

鈴木「ひと言で言うと、“堀越二郎”の話です。
堀越は零式艦上戦闘機、いわゆる“ゼロ戦”の設計主任として知られる人物。
宮崎駿は戦争関係のものに対して非常に造詣が深く、堀越二郎という人を個人的趣味としていろいろと調べていたんです。
ゼロ戦を設計した人の生涯の話に、堀辰夫の恋物語をドッキングさせたらどんなお話になるだろう。そういうところから始まりました。

子どもの頃から空に憧れて飛行機に乗りたかった少年が大人になったとき、飛行機の仕事に携わろうと思ったときに、時代は戦争の時代。
そこで彼が作らなきゃいけないものが、艦上戦闘機だったという話なんです」

戦争反対！でも兵器マニアな宮崎監督
鈴木「宮崎駿は昭和16年生まれで戦争というものを避けて通れない。戦闘機とかタンクとか、そういうものが好きなんです。
ところが時代は日本が戦争に負けて、戦争反対の時代でもある。
宮崎駿は、その矛盾のなかで生きた人。自分の好きなものが引き裂かれているんです。
一方で戦争の兵器、一方で戦争反対という。なんで自分みたいな人間ができたんだろうということを映画のなかで明らかにしたいと、そう話していました」

【関連リンク】
・ジブリ、来年夏は宮崎駿監督と高畑勲監督の新作が同日公開。鈴木敏夫Pが会見開／ムビコレNEWS
・『風立ちぬ』公式サイト
・『かぐや姫の物語』公式サイト