三つ編みの少女ハイジ?!3人の若き巨匠、宮崎駿・高畑勲・小田部羊一が手がけた名作ハイジ製作裏話

ハイジは初め、三つ編みだった!宮崎監督、高畑監督を知る盟友が語る若き巨匠たちの製作裏場話!

今から40年前。昭和49年に放送開始以来、今なお根強い人気を誇る国民的アニメとなった「アルプスの少女ハイジ」。
この名作を手がけていたのが、3人の若き巨匠宮崎駿、高畑勲、小田部羊一だ。
このたびの宮崎駿監督の引退発表を受けて、ハイジで作画監督を務め、東映動画時代の先輩(高畑監督とは同期)である小田部さんが、当時の宮崎監督やハイジの製作裏話を語った。

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(画像:livedoorニュース)


ハイジは当初、三つ編みだった!

キャラクターデザイナーとしてハイジの造形などを作り上げた小田部さん。
当初のイメージ画では、赤毛のおさげ髪を三つ編みにし、にっこりと微笑む女の子としてハイジは描かれていた。
しかし、ハイジの故郷であるスイスへロケハンで訪れてみると、「実際にスイスの山へ行って分かりました。三つ編みの女の子はいなかった。アルプスの大自然は厳しい環境で、ただ笑っている可愛いだけの女の子では生きてはいけないとも知らされました」


Heidi’s house / paalia


そのロケハン後に描き直されたものが、今日誰もが知るあのショートカットヘアの元気なハイジだ。
このような海外ロケハンは、当時の日本のテレビアニメとしては初の試み。
宮崎さん、高畑さん、小田部さんら製作主要メンバーはスイス、フランス、ドイツをまわり、本当に優れたアニメ作品にするためのリアリズムを追求した。
当時の制作会社社長や、宮崎監督たち若き巨匠たちの「世界に通用するアニメにするために、正確な情報、風土、伝統を重視すべき」という考えからであった。

当時から厳しかった!高畑&宮崎アニメの現場

「高畑監督も宮(宮崎)さんも、作画監督の私に次々と難しい注文をつけてくる。結局、毎週放送ぎりぎりまで何度も描き直す作業が続きました」と小田部さん。
大ヒットとなったハイジだが、制作現場では徹底して高いクオリティを追求し、作業は大幅に増えたという。

ハイジなどキャラクターだけでなく、雲や山など背景も同時に動く高度な描写テクニックが初めてテレビアニメに採り入れられるなど、当時としては斬新で画期的な作り方であった。
「おかげで描くセル画の枚数が増え、作画監督の仕事は激増していたんです」と、連日徹夜の厳しい現場を振り返る。
クオリティを追求した膨大な作業量は、スタジオジブリの制作現場でもよく知られる話が、ハイジの現場から既にであった。

詳しくは⇒「ハイジ」は最初“三つ編み”だった…宮崎駿監督の盟友が明かす新事実/livedoorニュース

今なお進化するハイジ

当時のアニメーションの常識を覆す革命的な名作となったハイジ。
そして今もまだハイジは進化していると小田部さんは語る。
確かにハイジは今もなお、世代を越えて、形を変えて親しまれている。
最近では、日産車のCMでおなじみの「低燃費少女ハイジ」や家庭教師のトライのちょっとブラックなハイジなど、パロディ作品も登場して人気を博している。
また、来年はハイジ放送から40周年を迎えるにあたって、2本の新作映画も公開予定。
ハイジの公式ショップや、「ハイジの村」といったテーマパークもあり、これらの施設情報を含めたハイジ関連の最新情報もハイジの公式HPで公開している。


【関連リンク】
アルプスの少女ハイジ公式ホームページ