ジブリ美術館「ねこバスから見た風景展」を観てきました Part1

三鷹の森ジブリ美術館の新しい企画展示「ねこバスから見た風景展」第一室を観てきた感想です。


土星座の新作短編映画「たからさがし」とともに、新しい企画展も観てきました。
「ねこバスから見た風景展」です。

こちらは、ジブリの背景美術の優れた魅力を、立体的・空間的に堪能できる企画。
簡単に言うと、映画のセットの中を歩けるような展示です。

この企画展は、本当に楽しかったです。
ジブリアニメが大好きな誰しもが思う、映画の中の世界に行ってみたい!という夢を叶えてくれる催しでした。

一番の喜びは、なんといってもやはり、ねこバスに乗れること!!
まず展示室に入ると、大きな大きなねこバスが、どーんとお出迎え。

YOMIURI ONLINEより)

ねこバスの行き先は、「みたか」となっています。
美術館のあるここ三鷹に、ねこバスが駆けつけてきてくれたんですね。

さっそく車内に入ってみると、椅子も窓も背もたれも壁も、みーーんなフカフカ♪
これこれ!!これを待っていた!まずはその夢見ていた座り心地を堪能。
ただ、床はなぜか木の板でした。
サツキがねこバスに乗ったときのように、足元までふわふわ柔らかなイメージをしていたのですが…
床までふかふかにすると、メンテナンスが大変なのかもしれませんね。

もともと、ジブリ美術館には常設のねこバスがいるのですが、乗れるのは子供だけ。大人は乗れないのです。
ねこバスに乗って大はしゃぎする子供たちを横目に、羨ましく思っていた大人の方々もきっと多いはず。
管理人ももれなくその一人でしたが、そんな大人たちにも、ついにこんな日が!感無量です。

大人も子供も外国の方も、みんなが嬉しそうに乗り心地を楽しんでいました。
このみんな一緒に同じ笑顔になれるところも、ジブリ美術館の素敵なところですよね。
ちなみに、ジブリ美術館の日誌によると、このネコバスには大人がぎっしり24人は入れるそうです。




なかでも最も素敵な席はやはり、ねこバスの後ろ頭が見える最前席。メイを迎えに行ったサツキの視線を感じられます。
みんな考えることは同じようで、最前席は管理人がお邪魔している際、一番人気のようでした。
それから、エンディングでサツキとメイが仲良く座っていた最後尾。こちらも映画の気分を楽しく味わえました。

ねこバスの座り心地だけでお腹いっぱいな記事を書いてしまっていますが、もう少し続けます。
ねこバスに乗れるだけでも大興奮ですが、それだけではありません。
車窓から映画と同じ美しい景色がひろがり、今回のテーマである背景美術の魅力をじっくり堪能できるのです。

サツキたちが今にも走ってきそうな田んぼのあぜ道、木がよけていく森。
壁一面に、トトロで見た風景が描かれています。
それらが、バックライトでうっすら照らされていることにより、光や空気の臨場感まで感じられる演出。
サツキたちは、このバスに乗って、こんな気持でこんな景色を見ていたのかな、と想像を心から楽しめました。

ジブリ美術館の中庭

ねこバスを下車すると、その先には、さらにトトロの背景の世界がひろがっています。
バスを降りてすぐ遭遇するのは、メイちゃんがばったり会ったあのヤギ!
これまた、後ろの壁に大きく描かれた背景から飛び出したような構成。
ヤギの前にしゃがんで、メイちゃんの背丈から見たヤギの顔を見てみる。
うーん、この距離でトウモロコシねだられたら、けっこう怖いかも!

そして、可愛らしかったのが「どんぐり」です。
メイちゃんが底抜けのバケツを覗いたときや、トトロを追いかけてたどり着いた木の虚で見つけたどんぐりが、背景と立体的に組み合わせてあり、どんぐりを見つけたメイちゃんの気分にさせてくれます。

サツキとメイの家。トトロと大きくしたあの夢のような木。
夕暮れの色彩や、入道雲の陰影、青々と茂る雑草の一葉まで、美しく丹念に描かれた背景美術を、臨場感ある楽しい演出付きで間近に味わうことができました。

セミの声や、照りつける日光、蒸し暑い空気まで届いてきそうな景色。
とてもなつかしくて、どこか切ない、日本の夏の風景でした。

次回は、同企画展の第二室の感想について投稿します。
第二室は、「耳をすませば」や「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」などの展示です。


【関連リンク】
三鷹の森ジブリ美術館