高畑勲 宮崎駿 ふたりの50年(5)

高畑勲&宮崎駿監督、二人の巨匠の50年を振り返る。連載第5弾!

スタジオジブリ高畑勲監督と宮崎駿監督、二人の巨匠の50年を振り返る連載の第5回がYOMIURI ONLINEにて掲載されています。
今回は、三鷹の森ジブリ美術館とジブリ美術館ライブラリーを手がける二人についてです。

cats (画像:YOMIURI ONLINE)


 「みるだけでも楽しく、つくる人間の心がつたわり、アニメーションへの新しい見方が生まれてくる場所をつくりたい」

三鷹の森ジブリ美術館は、2001年に東京都三鷹市井の頭公園の一角に開館。
館主の宮崎さんは、「みるだけでも楽しく、つくる人間の心がつたわり、アニメーションへの新しい見方が生まれてくる場所をつくりたい」(同館パンフレットより)との思いを込めて、作品を陳列するだけの箱ものでなく、ジブリ作品の世界観を体感できる空間づくりを主導してきた。


三鷹の森 ジブリ美術館 / Kentaro Ohno


アニメーションのからくりやスタジオジブリの制作現場を再現した展示室に、オリジナルの短編作品を上映するミニ映画館をはじめ、建物自体がジブリ作品を彷彿とさせるような舞台となっており、吹き抜けの中央ホールには空中階段が走り、壁にはどこに抜けるかわからない穴が開いていたりと、不思議なミヤザキワールドに迷い込める。屋上庭園には守り神のロボットも佇む。
高畑さんは、パンフレットに「ホンモノの人間が足で踏み手でさわれるホンモノだけで出来た現実の幻想空間ファンタジー」とコメントを寄せている。


三鷹の森 ジブリ美術館 / Kentaro Ohno


開館から10年以上たった現在もにぎわいを見せるジブリ美術館。先ごろ長編作品からの引退を表明した宮崎監督は、同館への今後の取り組みにさらなる意欲を見せている。

高畑&宮崎らがセレクトした珠玉の海外アニメ作品が揃うジブリ美術館ライブラリー

館内の展示やイベントにとどまらず、2007年には、埋もれた世界の名作アニメーションを紹介する「ジブリ美術館ライブラリー」もスタートした。
アカデミー賞受賞のフレデリック・バック作品や、ロシア史上最も愛される人形アニメーション「チェブラーシカ」など、現在までに21作品を紹介しており、ヨーロッパの新作の多くは高畑さんが選定を担当している。

この活動のきっかけになったのは、高畑さんが惚れこんだ作品「キリクと魔女」(ミッシェル・オスロ監督)だった。
2003年に公開され、本国フランスでは大ヒットしたものの日本での公開はめどがたっていなかった本作。その日本語版の制作を、高畑さん自ら買って出たという。
同美術館館長の中島清文さんは、「日本人に縁遠いアフリカが舞台なので、誰も公開に名乗りをあげない。でも、高畑さんには『日本人に見せたい』という思いが非常に強かった」と振り返る。

cats (画像:ジブリ美術館ライブラリー)



ジブリ美術館ライブラリーより今年6月劇場公開されたスペインの「しわ」も、「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」が好きだったイグナシオ・フェレーラス監督が高畑監督の元に持ち込み、日本公開にこぎつけたもの。
「老い」や「認知症」というシリアスなテーマを、温かな手描きアニメーションの手法でコミカルにさりげなく描き出した名作で、スペインのアカデミー賞と呼ばれる第26回ゴヤ賞で「最優秀アニメーション賞」「最優秀脚本賞」を受賞した。

詳しくはこちらから→[高畑勲 宮崎駿 ふたりの50年](5)作品世界 美術館で体感/YOMIURI ONLINE(外部サイト)


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